三幕構成に関して(3) 『おくりびと』はなぜアカデミー賞を取れたのか

前回は「三幕構成」を「構成」するキーワードに関して説明した。今回は、ではそれらの「三幕構成」が実際にどのように使われているか、ということに関して述べる。これは、三幕構成を解説する際にあらゆる脚本指南書で用いられている手法だ。引用される作品…

『ディア・ドクター』

今更鑑賞。ロングランに感謝。いや、この映画、食わず嫌いしてた。観れて良かった。久しぶりに1800円の正規入場料払って惜しくないと思った。本年度邦画では(そこまで本数観てないけど)今のところナンバーワン。 【脚本に関して】極論の謗りを覚悟で言って…

三幕構成に関して(2)〜各用語のまとめインデックス〜

前回は、「三幕構成を持つ映画は面白い=三幕構成を持たない映画はつまらない」ということに関して述べた。今回は、それを受けて三幕構成で使われる用語に関して一つずつ解説していく。最初に断っておくが、今回の用語解説のみで全てを理解することは不可能…

三幕構成こそすべて(1)

前の「脚本」の回では、いかに「脚本が良い=映画が良い」ということかということに関して述べた。 今回からは、「ではどのような脚本が良い脚本なのか」ということに関して述べて行く。 さて、大前提は以下である。 今回の極論:「良い脚本は三幕構成を持っ…

『空気人形』

『歩いても 歩いても』の評価が未だ膨らみ続ける中、立て続けに公開される是枝裕和監督の最新作。原作は『自虐の詩』が映画化もされた業田良家。脚本は他の是枝作品がそうであるように、監督自身。カンヌの招待は是枝監督のこれまでの功績によるものが大きい…

『くもりときどきミートボール』

『モンスターvsエイリアン』『ボルト』に続き今年はやたらと3Dアニメを良く観に行く。予告編が超絶に面白そうだった、アメリカ版『晴れときどきぶた』。マッドサイエンティストの若者の発明によって空から色んな食べ物がじゃんじゃん降ってくるというお話。…

はじめに紙は脚本を創造された

『アマルフィ 女神の報酬』は2009年公開、フジテレビの50周年記念作品だ。織田某主演、ケータイ動画を使っての壮大なプリクエル映像展開、尋常ならざるTVスポット量等々、50周年の名に恥じぬ、フジテレビの威信をかけたその態勢により、興行収入は…